アトピー性皮膚炎の治療法は人によって千差万別、その原因やメカニズムを知ることで自分にとって最適な治療法を見つけることができます。

アトピー性皮膚炎の原因と治療アトピー性皮膚炎の原因と治療

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◆免疫抑制薬の種類

分類 商品名 一般名
カルシニューリン阻害薬 プロトピック タクロリムス
エリデル ピメクロリムス
Th2サイトカイン阻害薬 アイピーディ トシル酸スプラタスト

プロトピックはステロイドのランクで言えばstrongランクのものと同程度 (吉草酸ベタメタゾンと同等と言われる)であるため、抗炎症作用はさほど強くはありませんが、 正常の肌からは吸収されないこととステロイドのような糖新生の促進作用はないので皮膚の萎縮(薄くなる)は起こらないということ で、ステロイドならばmediumランクしか使えない顔に好んで使用されます。

規格は0.1%と0.03%の二つがあり、0.1%は16歳以上、0.03%は2歳以上に対して用いられます。2歳未満の幼児に関しては使用経験がなく 安全性が確立されていません。

使用後すぐはホテリ感などの強い刺激がありますが、 皮膚の症状が改善するにつれて刺激感は弱まります(正常な皮膚からは吸収されないため)。

ピメクロリムスはタクロリムスと同じカルシニューリン阻害薬であるが、日本では販売されていない(米国でクリーム剤として使用されている)。

◆免疫抑制薬の作用機序

<タクロリムスの作用機序>
タクロリムス(プロトピック)は、細胞内のFKBP12(Caチャネルの活性化に関与)と複合体を形成し、 カルシニューリンの基質であるNFAT(nuclear factor of activated T cells)の脱リン酸化 を阻害することで、 IL-2(インターロイキン2)及び、INFγ(インターフェロンγ)、IL-3,4,5等、T細胞由来のサイトカイン産生を抑制し、 TNFα、IL-1β、IL-6の産生も抑制します。

タクロリムスの作用機序

<トシル酸スプラタストの作用機序>
Th2(ヘルパーT細胞2型)に作用することで、Th2が合成するサイトカイン(IL-4、IL-5)の遊離を抑制します。

◆免疫抑制薬の副作用

プロトピックの副作用と言ってもいろいろありますが、その中でも怖いのが腎障害発ガン性でしょうか。プロトピックは 肝臓でCYP3A4により代謝され、大部分は胆汁中に、1%が尿中へ排泄されます。その上、血中濃度は腎機能の影響を受けない とされているのでなぜ腎障害が起こるのかはよくわかりませんが、まぁわかり次第書くことにします。

発がん性に関しては、免疫抑制によるところが大きいのではないでしょうか。私たちは誰もが癌原遺伝子という癌の元になる遺伝子を 持っていますが、 この癌原遺伝子は私たちの体が正常に働くために必要な遺伝子でもあるのでないわけにはいきません。

そんな癌原遺伝子ですが、 実は日常でも、私たちの体の中でちょっとした刺激(紫外線など)で癌遺伝子へと変異しています。ならなぜ癌にならないのかって?それは、自分の免疫細胞 が新しくできた癌細胞を殺してくれるからです。

癌細胞を殺してくれるのは主にNK細胞とキラーT細胞ですが、これらはもちろんステロイド やプロトピックにより抑制される(免疫が抑制される)ので、新しくできた癌細胞を殺すことができなくなります。紫外線を浴びると癌原遺伝子から 癌遺伝子への変異が起こりやすくなるため、紫外線はなるべく避けるようにとの注意があります。

臨床では、マウスに2年間プロトピック軟膏を塗り続けた実験で、リンパ腫という癌 が発症したというデータはありますが、マウスの皮膚は人に比べて薄いため薬物の吸収率が高く、血中濃度が常に高い状態であることを 考えれば、あまり有用なデータではないとされています。 加えて、高齢者は免疫力が弱く癌になりやすいが、細胞分裂速度が遅いのでかかったあと長く生きられる。癌は遺伝病であるので、 基本的には親が癌といった癌原遺伝子の数や変異の度合いなど遺伝的な要素が高い。

皮膚を掻いたり皮膚の乾燥によって、ケラチノサイトやDRGから分泌されるNGFはTrkAへの結合を介して、癌原遺伝子であるc-fosを 発現させる。

※癌とは?(コラム)

癌の原因には、癌原遺伝子の活性化と癌抑制遺伝子の不活性化のどちらかが関与している。細胞の増殖には、このような一定の周期 (細胞周期)があり、その各過程の前にチェックポイントが存在する。チェックポイントでは前の過程が完了しないうちに次の過程に進まないように 規制している。

正常の細胞の場合は、まず、ほかの細胞から出された成長因子により、チェックポイントによる規制がはずれG1期に 移行する。その後、DNAに損傷があったときはp53という遺伝子調節蛋白により、Cdk阻害蛋白であるp21の遺伝子の転写が促進される。 p21はCdk阻害蛋白であるので、S期やM期にはいるのを止め(これにより修復の時間を得る)、G1期及びG2期に停止させる。

それでも異常増殖が とまらなければp53はアポトーシス(細胞死)に関与する遺伝子の転写を促進し、細胞死→マクロファージによる貪食でG1期でストップさせる。 成長因子によって活性化されたサイクリン依存性タンパクキナーゼ(Cdk)がサイクリンと複合体を形成し、その複合体は1箇所以上の部位 でリン酸化され、阻害的に働くリン酸基を蛋白ホスファターゼにより除去(活性化に必要なリン酸基のみを残す)し、初めて活性を持つ。

活性を持った複合体はS期(DNA複製)とM期(有糸分裂)の開始を起こす。開始が起こるまではRbタンパク質がリン酸化されることで、遺伝子調節蛋白 の抑制が取れて、次の過程に進行する。M期を終えた細胞はほかの細胞からの促進シグナルがないとG1チェックポイントで停止しG0期に 入る。癌抑制遺伝子を介する癌化はこれらp53、p21、Rbがうまくはたらかなることで、細胞周期に歯止めが利かなくなることで起こる。

アトピーの治療薬

アトピーの治療法

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