| アトピー性皮膚炎の治療法は人によって千差万別、その原因やメカニズムを知ることで自分にとって最適な治療法を見つけることができます。 | ||
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◆痒みと痛みの関係痒みには中枢性のかゆみと末梢性のかゆみの2種類が存在します。中枢性の痒みは脊髄後角や脳幹内のオピオイド受容体にオピオイド が結合することで引き起こされます。 痒みを引き起こすオピオイドはβエンドルフィン-μ受容体の組み合わせのみで、ダイノルフィン-κ 受容体は痒みを抑制するという。ストレス時にオピオイドが増加することを考えれば、中枢性の痒みがどのようなものかわかるだろう。 末梢性のかゆみは、先に述べた痒み受容器のヒスタミン受容体(H1)にヒスタミンが結合することで起こる。 痒みも痛みも同じ自由神経終末で受容され、ともにC繊維で大脳皮質へ入力される。 受容器と受容体の項では、痒覚は痒み受容器で受け取るとしたが、現在のところ痛覚と同じ受容器により受け取られるのか、それとも 痒みのみを受け取る受容器があるのかと言うことに関しては未だ確実な回答は得られてはいない。 個人的なには、痒みが痛みで抑制されるのは脊髄後角に対して競合阻害が起こったためだと考える。痒みと痛みは同時に感じることはできる ということと、血が出るまで掻いてしまうのは痒みが痛みを抑制しているからという二面性を説明するには都合がよい。 肌をこすったり、患部を爪で押したりすることで痒みがとまるのは、Aβ繊維がAδ繊維、C繊維に対して抑制的に働くからである。 触覚や圧覚を感知したAβ繊維は脊髄後角でAδ繊維とC繊維を抑制する。このことは帯状疱疹にも当てはまる。帯状疱疹にて神経がウイルスにより破壊されたことで 細いC繊維から順に回復していくために太い神経であるAβ神経の回復が追いつかずにAδ、C繊維による痛みを止められないで神経痛として残る。 熱や冷感による痒みの抑制には、受容体活性化Ca2+チャネルの分子実体であるTRPスーパーファミリーが深く関わる。 43℃以上の熱を感知するTRPV1は後根神経節の小型の細胞(C繊維の細胞体、Aδ繊維にも少し存在)で生じる。 TRPV1は熱刺激だけでなく、酸刺激やカプサイシン(唐辛子の成分)でも 活性化されるので、たとえ43℃以上でなくても炎症によりpHが低下している患部ではTRPV1が刺激される。 さらに、TRPV1を直接活性化しないような弱い酸性であってもTRPV1の活性化閾値を体温(36.5℃)以下に低下させ、また、 ATPやブラジキニンがプロテインキナーゼCによってTRPV1をリン酸化して、その活性化閾値を(32℃程度)まで低下させることから 、炎症時には体温自体でTRPV1が活性化されるということが言える。 ただし、TRPV1は繰り返し刺激されると、細胞内Ca2+とカルモジュリン複合体がTRPV1に結合して チャネルの不活性化をもたらすことで、TRPV1の細胞外Ca2+依存的な脱感作が起こることが知られている。 痒いときに熱いお湯を浴びると、一瞬「クゥ〜」という感覚があった後はそんなに気持ちよくも感じなくなる ことを考えれば、熱による脱感作が起こったためであろう。 43℃以上は侵害刺激になるため、痒みの沈静化に利用するのは避けるべきである。 ちなみに43℃以上?の熱は熱覚としてではなく冷覚として処理される。 次に冷覚だが、冷覚で重要なのは、8〜28℃、メントールに感受性を持つcold and menthol-sensitive recepter1(CMR1)と17℃以下の侵害冷刺激 に感受性を持つANKTM1の2つの受容体である。 TRPM8(CMR1)はCa2+透過性の高い非選択性陽イオンチャネルであり、メントールにより活性化温度閾値が上昇する。つまりメントールのみ では閾値を上昇させているだけなので、実際の冷感は自分の唾液や水分によって起こる。 TRPM8遺伝子は後根神経節や三叉神経の中の小型、中型の神経細胞(C繊維、Aδ繊維)に存在している。TRPM8もTRPV1同様、細胞外 Ca2+依存的に脱感作がおこる(ハッカの飴をずっとなめていると効果が弱まる)。 TRPA1(ANKTM1)はCa2+透過性の低い非選択性陽イオンチャネルであり、17℃以下の侵害性冷刺激に対して感受性を持つ。 TRPA1はDRG内でTRPV1と共発現している(このことが43℃以上の熱覚を冷覚と感じる理由の一つ)。 痒いときにハッカ入りのワセリンを塗ると、痒みを伝達するC繊維との間で競合が起こるので、冷感によって痒みが一時的に治まります。 ただ、先述の通り、短時間の間に塗りすぎると効果が落ちます。 氷など極めて低い温度は、痒みをとめるのに加え、血管を収縮させて炎症物質が移動するのを防ぎますが、反跳性の血管拡張が起こって逆に炎症が悪化します ので避けるべきです。
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